アサシンクリードシャドウズがネットで炎上し続けて止まりません。
ゲームに詳しい人や問題を初めから追っている人は「まだまだ甘い」と思っているかもしれませんが、ゲームをそんなにしない人や炎上してから知った人には「なんでこんなに炎上しているの?」と思う事でしょう。
今回は、その背景から炎上の経緯、理由までできる限り分かりやすく紹介します。
①今回アサクリ問題が炎上し続けていることの背景
今回アサクリが炎上していることには、すこし知っておきたい背景が2点あります。これを知っておくとより炎上理由が理解しやすくなります。
- アメリカやヨーロッパはポリコレの潮流に飲み込まれている。
- 弥助は海外では特権が与えられるほどの侍という認識がある。
ポリコレの方は、触れるとそれだけで本記事の炎上にもつながりますので触れません。そういうものだと思ってください。
弥助はこちらのwikiを見てください。ただし、『wikiの言語を日本語にするのではなく、翻訳機能を使って日本語にして』見てください。アレッサンドロさんの絵があるあたりに記載があります。
弥助のwiki:https://en.wikipedia.org/wiki/Yasuke
英語のwikiは弥助は非常に優れた武士と受け取れる表記になっています。そこの論議は後から触れますので、ここでは(そうなんだ)と思ってください。
②アサクリ問題炎上の火種
最初にアサシンクリードシャドウズの詳細が出た際に、『黒人の侍、弥助が主人公』という部分で引っ掛かる方が出始めます。
その理由は次の二つです。
- アサシンクリード『シャドウズ』なんだから忍者が主人公だろう
- 侍にするにしても黒人?日本なんだから日本人が主人公だろう?ポリコレの影響かな
アサクリシリーズは基本的に現地人を採用しています。
実在の人物の名前は調査の限り使われていませんでした。
それが今回は”実在する人物を使った、しかも武士である“という部分でファンの方で批判となりました。しかしこの炎上は火種でしかありません。
【悲報】新作アサクリが発表されるも、主人公が弥助という実在した黒人侍でポリコレだと荒れてしまう
ツシマのような純粋な時代劇を期待したユーザーから批判の声多数
俺的には結構アリだが、みんなの意見は? pic.twitter.com/ZdbbcDvqPt— キャベツの人【ゲーム紹介】 (@kyabetsuhuman) May 15, 2024
③じりじりと炎上は続く
IGN japanさんがプレイ映像を公開した所で、炎上に油が注がれます。
最初に桜が咲いていて、田植えをしている、何かを収穫しているように見えます。
桜は4月、田植えは5~6月、収穫しているのが稲なら9~10月。
世界観がごっちゃです。
この時点でファンは落胆。(なんだ、世界観なんてなくてゲームか。ゴーストオブツシマとか歴史観をしっかり調べたのを期待してはいけないな)と。
また、インタビューもおこなわれていて、「本作は、織田信長のような実在した歴史上の人物や当時の出来事を忠実に描いているので、封建時代の日本を舞台にゲームを楽しみながら、この素晴らしい時代について学ぶことができます。」とのことです。
正直私も(これは期待できないな)と思いました。批判もまああるだろうと。
プレイ映像とインタビューにはツッコミどころがたくさんあるのですが、それもたかだか『炎上』です。普通のゲームなら十分『炎上』なんですが、今回の問題では小さなものです。
https://news.xbox.com/ja-jp/2024/05/16/assassins-creed-shadows-interview
④爆発的炎上
IGN Japanさんが公開したシナリオ担当の開発者インタビューで炎上が爆発へと変わります。
最初にフィクションであると発言しておきながら「歴史の空白を私たちの描きたかったストーリーで埋めた」「日本史に詳しい方に是非楽しみにしていただきたい」と発言しました。
これによって爆発的に炎上します。
5月のゲームディレクターは「この時代を学ぶことができる」、開発者は「歴史の空白を埋めた」というのがつながって、『我々が空白の部分を埋めたからこれで歴史を学んでね』と繋がって、大炎上を起こします。
- 弥助なんて武士じゃない
- こんないい加減に作られたもので歴史を埋めたとか言われたくない
- そもそも弥助が何で特別な武士として扱われているんだ!
などなど、日本では様々な批判が相次ぎます。
そして、それだけ注目されるとプレイムービーやアートブックなど公開されているものをチェックする人が現れるのは至極当然です。
⑤盗作・コピペ疑惑浮上で炎上は続く
調査の結果、コピペや軽トラなど様々な雑な作りが明らかになりました。
あまりに多すぎて紹介しきれません。この二つがまとまっていると思います。
ちょっと追加
しかしこれ、本当に映画村の写真素材もあるとは…#AssassinscreedShadows #アサシンクリードシャドウズ pic.twitter.com/dgVOTjw26E— tk8d32(多忙につきスローペース) (@tk8d32) June 26, 2024
そんな中、遂に大問題となるコピペが発見されました。
関ケ原鉄砲隊の旗印が混じっていたんですね。完全な著作権侵害です。関ケ原鉄砲隊の方にも連絡が行き、UBI Japanが謝罪をおこなう事となりました。
ただ、UBI Japanが謝罪しているだけで本家は何も触れていないという問題も残っています。
小耳に挟んだ情報なのですが、アサシンクリードシャドウのコンセプトアートの背景に関ケ原鉄砲隊が使用されているそうです。
実際に確認してみましたが、拡大すると確かに我々の使用している背旗が確認できました。
正直どのような反応をすれば良いのか悩むところです。#関ケ原鉄砲隊— 影山@関ケ原鉄砲隊 (@matchlock_kage) June 10, 2024
『アサシン クリード シャドウズ』に関するお知らせ
公開済であるコンセプトアート2点に、関ケ原古戦場おもてなし連合「関ケ原鉄砲隊」の旗が無断で使用されているとのご指摘を受けております。
団体様には謝罪の機会を頂戴し、受け入れていただきました。…— Ubisoft Japan (@UBISOFT_JAPAN) July 8, 2024
盗用はこれだけではありません。
二条城の障壁画「松鷹図」が反転された状態で使われているのが発見されました。
すでに二条城の管理者も把握しているようで・・・。これはまだまだ出てきそうです。
アサクリのゲーム内での二条城の障壁画「松鷹図」の件を二条城の管理者に問い合わせしたら「他にも問い合わせの連絡が来てます。首が反転してるヤツですよね」って言ってるからやっぱり無許可じゃん
日本の文化財を無断商用利用とか本当にUBIはどういう神経してるんだろうね https://t.co/kOOSjxDOy1— jk _ no30111 (@jkno30111) July 11, 2024
と書いていたら、さらに見つけました。こちら!
Katana et masque de Yasuke (par @PureArtsLimited ❤️) ou encore artworks du jeu, notre stand Ubisoft à la @japanexpo vous propose une expérience… immersive 👀🔴
On vous immerge avec nous dans l’esprit du jeu jusqu’au dimanche 14 juillet ! 🥷 pic.twitter.com/tzkE2BnkO6— Assassin’s Creed FR (@AssassinsFR) July 11, 2024
ファンならわかると思います。弥助の刀として展示されてる刀、ワンピースのゾロの三代鬼徹(レプリカ)です。
うーん・・・ばれないとでも思ったのでしょうか。よくこんな雑な仕事をしたものです。
この問題はなぜ起こった?原因は?
ではこのアサクリの炎上はなぜ起こったのかというと、次の理由が挙げられます。
- 日本人の日本文化への思い入れを甘く見た
- 歴史考証の進んでいる戦国時代を選んだ
- 作成のための専門家の選択を間違った
(少々コピペしたり手抜きしても大丈夫でしょ?)はネット社会では通用しなくなっていますし、日本人は自身の文化に思い入れが深いです。
また、戦国時代は多くの日本人が好きな時代ですから歴史考証が非常に進んでいます。
そんな所へ「空白の部分があったから~~~」なんてものは通用しません。Xでも「日本人が舐められてる」と多くの方が言っていますが、その通りです。
そのために専門家にしっかり話を聞いて歴史を理解したうえで「フィクション」にする、それだけでよかったんです。
仁王2のゲームにも黒人の侍が登場していますが、何も炎上していないですよね。フィクションだと分かっているからです。
『我々が空白の部分を埋めたからこれで歴史を学んでね』と受け取れるような発言をしなければ炎上はもっと小さく済んだと考えられます。UBIという大企業がなぜこんな発言をしたのでしょう?また、なぜこんな雑な歴史考証した作品を作り出そうとしているのでしょう。
そこにはトーマス・ロックリーという方が大きく関わっています。
トーマス・ロックリーさんは日大の准教授で・・・wikiを見ていただくとわかりますが、弥助を非常に優秀な侍だとはばからない書籍を出している方です。
アサクリ問題の根幹
ロックリー氏の弥助にまつわる歴史修正を日本ジャーナルがめちゃくちゃわかりやすくまとめてくれてます
abemaもこれ前提踏まえた上で議論できたら良かったのにね
pic.twitter.com/wJtVoze8Jj— キャベツの人【ゲーム紹介】 (@kyabetsuhuman) July 19, 2024
ここは考察と妄想になります。
UBIが黒人をゲームの主人公にすると決めた時にそれに合った専門家を探してトーマス・ロックリーさんを選んだ。そしてロックリーさんは、「歴史には語られていないけどこんな伝説の侍がいたんだ!ほら!wikiにも書いているだろう?だから実はこういった歴史があったんだ!」と自分が出した書籍を基に語る
→UBIの人もそれなら、と主人公にして侍にして伝説的活躍のストーリーにする
→皆が知らないだけで空白の歴史があったんだと発言する
いかがでしょうか。遠くない予想だと思います。
そのwikiもトーマス・ロックリーさんが何度も編集して出来上がったものなので・・・。
最初は『アサシンクリードシャドウズ』の問題だけだったけど現在日本大学に勤務中で『信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍』という弥助の本を書いたトーマス・ロックリーが外国のWikipediaで弥助の情報そのものを捏造して歴史改変していたことが発覚し、かなりとんでもないことになっているなぁ感。— ta2/たっつー (@Techno_Ta2) July 16, 2024
この方の著書はなかなかすごいです。それを題材にアサシンクリードシャドウズが作られているとするなら
- 8000人の黒人部隊が出てくる
- 弥助をきっかけに黒人を奴隷として扱う風潮が生まれた
- 日本国内で黒人奴隷がいた描写がある
が出てくるものと思われます。その際にまた炎上するでしょう。
外務省や国レベルに質問したもいるとのことですので、この辺りは今後歴史問題として取り上げられていくことでしょう。
(公式な歴史としては1515年には奴隷制度が確立されている論文があります。)
当然アサクリ問題はトーマス・ロックリーさんに飛び火。最初は反論するものの、Xを消して逃亡しました。
日大にも問い合わせをした方がいますが返答はなし。
『Black Samurai信長に仕えたアフリカン侍・弥助』という番組を作成したNHKは、アーカイブを削除しました。
まとめ
今回はアサクリ炎上を取り上げました。
会社としての甘さと、ポリコレ、専門家の問題と様々な要因が入り混じっていて、炎上は続くと思われます。
いやぁ、残念です。まだ、上杉謙信を女性にして描いた方が諸説ある中の部分だし面白かったでしょうに。
参考にしたメディア:https://www.cell.com/ajhg/fulltext/S0002-9297(20)30200-7
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